着物帯の市場は年々縮小しており、新製品開発は喫緊の課題であった。北潟湖付近の盆踊り「北潟古謡どっしゃどっしゃ」では着物で長時間踊るのだが、その際にスマートフォンの所持に困っている人が多いことに気付いた。開発の際には、近隣の同業者の協力もあって、着物の帯に差し込んでスマートフォンを保持することのできる「腰巾着」の試作品を作った。本製品を模倣から保護するための実用新案権の取得と販路開拓等について、どうすればよいか分からず悩んでいる時に、県発明協会からよろず支援拠点を紹介された。
元々、浴衣用の角帯を製造しており、その生地を有効活用するという視点で考えられた商品であり、和装関連ルートであれば売れる可能性はあると考えられた。「腰巾着」と命名した、帯に挟んでスマートフォン等を収容できる巾着は、当初、実用新案登録したいという希望だった。実用新案権は特許と比べて実効性が弱く、存続期間も短い上に、自力で出願書類を作成するのは難しいなどの難点があった。一方、意匠権は物品の美的外観について権利付与され、存続期間も20年と長く、しかも実効性があり、現物を特許庁に提出することで手続きが行えるという自力の出願が容易であるため、意匠登録出願を提案した。あわせて商標について調査を行い、「腰巾着」で商標登録できる可能性は高いので、商標の自主出願も提案した。
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